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想恋歌

第四章 希くはその心に 第三十九話                             2014.11.16

 絶対に失いたくない……その存在を、その魂を……  共に在るのが当たり前の様に思っていたから、つい忘れてしまいそうになった。  俺に向ける優しい微笑みも、温かいぬくもりも、その柔らかい眼差しも、唐突に手放す瞬間が訪れるかもしれない事を。  今この手を離したら、この手をすり抜けたら、もう二度と掴めなくなる。    だから何処にも行かないで。消えないでお願いだから……  失いたくない……二度と…… 佐為……  ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ――    心地よい微睡みの中、佐為に優しく抱かれて愛されてる自分がいる。  う~ん、もっとキスしてぇと、お強請りしている自分がいる。俺って恥ずかしいなぁ。  フワフワ・フワフワ~として、ああ~気持ちいいなあと感じる。カーテンを通して差し込む明かりで、部屋は既に明るい。徐々に視界に見慣れぬ部屋の模様が飛び込んでくる。 「アレぇ? 夢見てたのか。スッゲ、リアルな夢だったなぁ」 「どんな夢見たの」  隣から佐為の声が聞こえ、弾かれた様に顔を向けると、佐為が頬杖をついてヒカルを見下ろしていた。 (あ、夢じゃなかった。昨日佐為と……佐為に抱かれたんだ)  昨夜の自分の痴態を思い出してしまい、顔が赤くなってくる。 「おはよう、私のヒカル」 「おは……よう」  そのまま、佐為の胸に顔を埋めてしまった。  おそらく、昨夜のことを思い出したらしいヒカルの様子が、手に取るように解り思わず笑いを噛み殺す。 「おはようのキスは、ないの?」  モゾモゾとしながら顔をあげたヒカルが、佐為の唇にチュッとした。  お返しとばかりに佐為が濃厚なキスを返す。 「あぅ……はぁ~」 「昨夜のヒカルは凄く乱れて、最高に可愛かったですよ」 「ッ……ヤッ。佐為恥ずかしいよ」 「ヒカル、初めての経験で驚いたのじゃない。辛くは無い? こういう間柄になって」 「ううん、大丈夫だよ。俺ずっと色んな事考えて、自分でそうしたいって思ったんだから。佐為が傍にいれば何も怖くない。 それよりも、佐為が満足出来なかったんじゃないのかと思って。俺、経験無いから上手く出来なくて。でも今夜はもっと頑張るから」 「おや? 今夜もするんですか?」 「あっいや、あの、そ、その、う~佐為のイジワルぅ」 「昨夜は興奮しちゃって、少し性急に過ぎましたから、今夜はじっくりと可愛がってあげます。ヒ・カ・ル」  またもや濃厚な口づけをされて、俺は頭が真っ白になる。これは俺が慣れて無いせいなのか、佐為が上手いのか。 「身体は痛くない。おしりの可愛い蕾はどう?」 「ん、もう~佐為ったら。いちいち形容詞つけて言わないでくれ」 「だってぇ、本当に可愛いんですもの。ヒカルぅ」  ギューギューと俺を抱きしめてくる。く、苦しいって……。なんだかこういう所は、幽霊の時の子供っぽい佐為みたい。 「冗談は抜きにして、本当に痛くないの? 軟膏もあるから私が塗りましょうか?」 「イッ、痛くない。本当に痛くない。なんかちょっと変な感じはするけど」 「そう? やせ我慢しちゃ駄目ですよ。痛かったらちゃんと言いなさいね」 「うん、わかった」  佐為は笑いながらもう一度ヒカルにキスをする。 「お腹空いたでしょ。ルームサービス頼みましょうね」 「ウン。顔洗ってくる」  ベッドから降り立ち上がったと思ったら、そのままストンと座り込んでしまった。いわゆる(腰砕け状態) になったらしい。 「ヒカル!」  佐為が慌てて抱き起こし、暫くつかまり立ちの状態にする。 「佐為もう大丈夫だと思う。ハハ、初めてだからビックリしちゃったよ」 「そう? 歩ける?」 「うん、ほら平気。じゃ洗ってくる」  そのままバスルームに向かう。大丈夫ですかねアレ。  朝食は豪華なメニューが並んでいた。 「うわぁ、超豪華版だなぁ。美味しそう」 「頂きましょ」 「うん、いただきまーす」  旨~い、美味しいな佐為。ヒカルのその笑顔を、嬉しそうに眺める佐為。穏やかで優しい時間が流れていく。 「昨日使った潤滑剤って何? 凄くいい香りがした」 「香油ですね。伽羅が含まれてるから、上品でいい香りでしょ」 「うん、アレって元々ホテルにあったの?」 「まさかヒカル。一流ホテルにあのような物はございません」 「ん、じゃ、佐為が用意した……んか?」 「そうですよ」  澄ました顔をして食事をしている。前もって用意したって事は、俺と寝るってことが解ってたことだよな。  それって俺の態度から見抜いたんだろ。俺ってそんなに解りやすいんか?  知らぬは本人ばかりなりとは、ヒカルにピッタリの言葉。対局以外でのヒカルは、そのままストレートに感情がでるタイプなので、大概の人にはすぐ読まれてしまう。  これが囲碁の対局となると、全くと言っていいほど感情を現さないのだから、不思議のひとつと言われている。 「女の人とのセックスでも使うの?」 「女性には使いませんよ。女性は始めから男の物を受け入れ、赤ちゃんを送り出す為のものです。自然と愛液が出て濡れますから、必要ありません。最もアナルもする人は必要ですけど」 「フ~ン。佐為って俺以外の男と寝たことあるの?」 「男性は貴方が初めてですよ」 「ほんとに?」 「本当です。何疑ってるのですか」  パクパク・モグモグと口を動かしながら、佐為をチラチラと伺う。 「ヒカル、ひとつ言っておきますけど、他の男性と寝ることは禁止ですよ。寝たら許しませんよ」 「ヤキモチ妬いてんの佐為」  悪戯っ子の笑みを浮かべて反応を伺ってる。あの佐為がヤキモチ妬くなんて、初めてお目にかかるかもしれない。 「何とでも」 「じゃ佐為も、他の男は抱かないんだよな」 「勿論です。私が愛するのはヒカルだけです」  佐為ったらこういう恥ずかしい台詞を真顔で言うんだから。 「じゃ、女の人は?」 「…………しませんよ」 「その間はナニ?! 女もダメ、寝たらダメ!」 「ヤキモチ?」 「うぅぅ――。他の人を抱いたらイヤだよぉ……」  半泣き状態のヒカルを見て、席を立ちヒカルの側に行く。 「冗談ですよ。ヒカル以外の人を抱いたりしません。ほら機嫌直して」  唇にキスをして、抱きしめる。 「絶対浮気しない?」 「しませんって。ヒカルもしちゃダメですよ」  昨夜は甘美な夜を過ごしたばかりなのに、朝から他愛無い痴話喧嘩を始める二人。他人が見たらさぞバカバカしい情景だろうが、本人たちは至って真剣。  佐為はヒカルの精神が、落ち着きをみせてきている事を感じ取った。    朝食も終わり30分後、黄から電話が入った。食事が終わったらカフェにお茶でも飲みに行かないかと。 「解りました。もう少ししたら行きます」 「誰から?」 「黄からですよ。カフェにお茶に来ないかって」 「そうなんだ。何か恥ずかしいな俺」  ふふふと笑った佐為に、普通にしてなさいと言われた。その普通が難しいだよな。  それから30分後、支度の出来たヒカルが部屋を後にしようと扉に手をかけたら、佐為に呼び止められ、そのままふわりと抱きしめられた。 「佐為?」 「少しこのままで」 「ん……。大丈夫だよ、俺何処にも行かないよ。ずっと佐為の側にいる。だから佐為も側にいて」  ええ、約束しますよ。ヒカルの頬を両手で挟み口づける。ヒカルは何処か恥ずかしそうに、透き通る様な優しい微笑みを浮かべた。 「行きましょうか?」 「うん!」  一階のロビーに降りて行き、佐為はフロントにキィーを返却する。  ヒカルはキョロキョロと、楊先生と黄先生を捜したが、広いロビーにも奥のカフェテラスにも見つけられなかった。 「佐為、黄先生達まだ来てないみたいだよ」 「おや、そうですか。ではソファーに座って待ってましょうか?」 「ん。佐為、俺ちょっと地下のショツプ覗いて来ていい?」 「いいですよ。では此処かカフェのどちらかにいますからね」 「わかったぁ。すぐ戻るから」  軽やかな足取りで歩いて行くヒカルの背を見詰め、何か欲しい物でもあるのだろうかと思っていた。  五分程して黄が一人でやって来た。 「楊は?」  姿の見えない楊に、どうしたのかと思い尋ねると 「もうちょっとしたら来ると思いますよ」  そう言いながら、黄は佐為の様子をじっくりと観察している。その視線に気づいた佐為が、咳払いをしながら明後日の方向を向いたのを確認して、どうやら上手くいったようだと、結論付ける。 「佐為、一度韓国に来て若手の碁の指導しませんか。と言うか、して欲しいんですけどね」 「私が? 何故ですか? 黄がすればいいでしょ」 「そりゃ私もしますけど、同じ人ばかりじゃなくて、色々な人に打ってもらった方がいいのは解ってるでしょ」 「……まぁ、解りますけど。大っぴらに知れるのイヤなんですよ」 「其処は上手くやります。任せなさい」  などなど、ついつい立ち話が長引いてしまっていた。  それから10分後、ロビーに戻ってきたヒカルは、ちょうどホテルに入ってきた客に目を留めた。  ドアマンも不審そうに見ていたが、ちょうど他のお客様に声をかけられてしまい、致し方なく持ち場を離れた。  何だか顔色が悪そうで、ユラ~っというかボーッというか、そんな感じで立っているような印象を受ける。  目が変だな、虚ろな感じって言うのかと思いながら、カフェテラスがある方向に歩いて行く。  佐為と黄はヒカルに背中を向ける形で、斜めに向かい合って立って話していた。  佐為ったらなんであんなとこで、立って話してるんだろう。楊先生はまだ来てないのかなと、キョロキョロしながら歩いていた。その楊はヒカルに遅れる事10m程後方を歩いていた。  ふと目をやれば、先ほどの男も佐為達のいる方向へ歩いている。歩き方も、何だかユラユラ歩いているような気がする。  ヒカルはおかしな人だなぁーと思いながら、佐為と呼びかけようとして、その男が懐から刃物を取り出すのを目にする。   その男の視線の先には、背中を向けて立っている佐為。  男が刃物を出し狙いを定める一連の動作が、まるでスローモーションのような出来事に感じられた。  ヒカルの身体は素早く反応し、佐為の前に滑りこむ間際「ダメェ!」 と叫んだ。  驚いた顔の佐為と黄が体の向きを変える。  その佐為の体にヒカルが抱きつくのと同時に、刃物がヒカルの背中の右側に刺さった。 「グッ、アウッ!!」 ヒカルが痛さと苦しみに仰け反る。 「ヒカルッ!!」  佐為が絶叫しヒカルの体を抱え込む。近くに居た女性客から悲鳴が上がる。  刃物が抜かれ鮮血が飛び散る。  またもや振り下ろされそうな刃物に、佐為はヒカルを抱えたまま自分の体を反転させ、男に無防備な背中をさらす。  それと同時に、隣にいた黄が男の手を取り、手刀を男の手首に落とし刃物を叩き落す。駆けつけた楊が転がった刃物を横に飛ばし、二人で男の体を沈め拘束する。  二人共、武術太極拳の達人なのだ。健康増進の為にしている普通の太極拳と違い、主に武術的な色合いの濃い太極拳だ。全ては一瞬の出来事だった。 「ヒカル! ヒカルッ、しっかりしてヒカルッ!!」 「救急車と警察を呼んで!」  黄が従業員に向かって叫ぶ。その頃には事態の異変に気がついた従業員達が側まで駆けつけていた。     男は酷く暴れ意味不明な言葉を喚き散らしている。数人がかりで押さえ込んでも、信じられないような力を出し暴れる続ける。辺りは騒然としていた。  佐為は、その間傷口をしっかりと手で押さえ、出血を最小限に抑えようとしていた。 「進藤君、進藤くん、返事して」  男を従業員達に任せた黄と楊が側にやって来る。呼びかけても、ヒカルは意識を失ったままだった。 「ヒカル! ヒカル、目を開けてヒカル。しっかりして!!」 「佐為落ち着いて。脈が弱いですね。すぐに救急車が来ます、佐為は一緒に救急車で。何処の病院に行きますか?」  藤原なら融通の利く病院があるはずだ。 「都立総合病院へ」  佐為は血の気の無い顔で答える。まるで、自分の血液が全部流れ出したかのようだ 「分かりました。私は警察に事情を話してからすぐに向かいますから。佐為、しっかりするんですよ」 「オーナー大丈夫ですか?」 「私は大丈夫です。支配人を呼びなさい。それからお客様達に落ち着くようにご案内して」 「はい、かしこまりました」  辺りは騒然としていて、女性の中には血の気を失っている人達もいる。  すぐに呼ばれた支配人が駆けつける。  佐為は支配人に、お客様の中で気分の悪くなられた方には、医務室で休んで頂き、医師に診察を仰ぐこと。その他のお客様には、警察が来るまでその場に留まって頂くようにお願いする。カフェで飲食されてる方の料金は、無料にする。後は警察の指示に従い、速やかにお客様が帰れる様にと、指示を出した。  従業員達が呼び集められ、手際よくお客達の対応に当たっていく。  救急車と警察が到着し、ヒカルと佐為を乗せた救急車が病院に向かった。  黄と楊は30分後、病院の手術室の前でうなだれる佐為の所に到着した。 「佐為、進藤君は?」 「まだ、手術中です」 「容態はどんなでした? 意識は戻りましたか」 「まだ意識は無かったです。呼吸と脈が弱くなってました。救急隊員の話では、肺に傷がついていなければいいがと言ってました」 「そうか。肺裂傷か……。裂傷の程度が大きくないと良いがな」  裂傷の度合いが大きいとショック状態となり、重症化することがある。  佐為の傷口を抑えていた手は洗ったのか、今は殆ど汚れが落ちている。  だが、服にはまだ鮮血が飛び散ったままだった。 「佐為、進藤君のご両親には、警察から連絡がいってます。30分もあれば到着すると思いますよ。それまでに服を変えたほうがいいですね。私が購入してきますけどいいですね?」 「黄、すみません。貴方達があの場に居てくれて、本当に良かった」 「私もそう思ってますよ。じゃ、待っててください」  その間に警察も到着して、佐為から事情聴取していった。警察の話では、あの男は何かの薬中毒者で、錯乱状態にあるという。まだ取り調べが出来る状態では無いらしい。  父の正夫は、勤務先が近くだったようで先に到着した。すぐに母の美津子と祖父母も到着した。  鮮血が飛び散った佐為の服を認め、美津子が目眩を起こす。正夫と楊がその身体を支えソファに座らせる。呼びかけるとすぐに意識を取り戻し、楊に丁寧に頭を下げた。正夫が隣に座り美津子の身体を支えてやる。  美津子も祖母も、泣き濡れ体を寄せ合い、祈る様にお互いの手を硬く握りしめていた。  平八は、なんでヒカルがこんな目に合うんじゃと、呟いていた。  手術はかなりの時間が掛かったが、やがてヒカルが運び出されてくる。  酸素マスクをつけている顔色は真っ白で、意識も無いようだった。    駆け寄りたかったが、自分はヒカルの身内では無い。親族が居る場所ではそれも儘ならない。  美津子は「ヒカル、ヒカル」と呼びかけながら、ストレッチャーに寄り添う。祖父母も青ざめた顔をして一緒に付いて行く。  執刀してくれた医師が正夫に容態を説明し、意識が戻るまではICUで様子を見るという。やはり肺裂傷があるようだが、それ程酷いという訳では無いので、ショック状態にならなければ大丈夫と言うことらしい。だがそれも意識が戻らなければ、何とも言えないということだった。 「先生、意識が戻らないと危ないということなのですか?」  佐為に声をかけられた医師は、暫く黙って佐為を見ている。 「あの先生?」  返答の無い医師に声を掛けると我に返った様子で、 「あっ失礼、藤原さん。今の段階ではそうだとしか答えられません」 「そうですか。先生は私の事をご存知で?」  ネームを見ると「桂木」 と認めてある。 「貴方は有名人ですからね」  それではまた後程と、去って行く後ろ姿を佐為は見ていた。何処か不思議な感覚が……?。  黄が購入してきてくれた服に着替え暫くすると、正夫が挨拶にやって来た。 「警察から事情は聞きました。色々ありがとうございました。貴方方が暴漢を組み伏せてくれたとお聞きました。ありがとうございます」 「申し訳ありません。ご子息に怪我を負わせてしまい……」 「藤原さん、貴方のせいではありません。そんな風に考えてはダメです。貴方はたまたま標的になっただけだ。ヒカルは貴方を助けたかったから、行動したんでしょ? 私はヒカルの行動を無茶だとは思っても、責めることは出来ません」 「はい……」 「意識が戻ればすぐにご連絡します。今日は私達がおりますから、皆さんもお帰りになって体を休めてください」  それではと言って、正夫もICUに向かった。 「佐為、どうします?」 「……私は……今から一旦ホテルに戻ります。落ち着けばもう一度来ます。楊と黄はどうします。今日戻る予定でしょ?」 「打ちのめされてる友人を一人置いて行くほど、私達は薄情ではありませんから、もう少し貴方の側にいてあげます」 「それはどうも。……有り難いです。では、ホテルに着いたら部屋を取りますから」  ICUに寄ってヒカルの両親と祖父母に挨拶をして、病院を後にする。  帰り際正夫に、ホテルのツインを二部屋取っておくので、おやすみになるのでしたら、遠慮なく使って欲しい旨を伝えた。しかし祖父母は、夜になったらタクシーで自宅に戻ると伝えた。 「私らは薬も自宅に置いて来てしまったので、お気持ちだけありがたく」 「解りました。何かございましたら遠慮なくご連絡下さい」  ホテルに到着し、黄と楊のシングルの部屋と、進藤夫妻のツインの部屋を押さえる様に指示を出す。  それから執務室に支配人を呼ぶように言い置いて、執務室のある15階に上がっていった。  確かに佐為は打ちのめされていた。これ以上無いほどに。執務室の奥にあるベッドに腰掛け、自分を責めていた。  何故、何故ヒカルなのですか? 何故私で無かったのですか。こんなことの為に、私の魂は蘇ったのか。  ヒカルに順現法受業(じゅんげんぽうじゅごう)(現世において受くべき業) を負わせるつもりなのですか?  それは私が受けるべき業のはずなのに、何故ヒカルなのですか?  ヒカルを助けてお願い……神よ。私の命と引き換えにしてもいい。今一度(ひとたび)私の願いを聞き入れて。

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