想恋歌
番外編その③(後編) 2016.3.11
ここ最近の教本は、和歌。 今日からはこれで練習しなさいね、と佐為が持ってきた物だ。 「ワカ! 五七五七五七五七五七五七……とか言うあれ?」 「それは長歌ですね。ヒカル長歌なんてよく知ってましたね」 「知らないよ。適当に言っただけだって」 「なんだビックリしました。これは短歌ばかりですので五・七・五・七・七です」 「俺、和歌なんてワカんないよ」 「……う~ん、今イチ」 「掛けてないって!」 「フフフ……割に耳にする詩ばかりですけど、文字の練習なんですから別に解らなくてもよいのです。ソレにちゃんと訳も解説されてますから一石二鳥です」 俺の場合は一石二鳥にはならないと思うのだが、其処は敢えて黙っておく。 先ほどの佐為の言葉を思案しつつ、一心にボールペンを走らせる。 暫くしてブツブツと独り言を呟きだした。 「つまり佐為が言いたいのは、世の中はそんなに甘く無いとか、人生に甘えるなとか、甘くみるなってことかなぁ? でもそんな事は俺だって解ってるんだけど。なんかそれだけじゃ無いのかもな……」 「せ~を~はやみぃ~~~、い~わぁ~~に~せ~か~~かるる~、た~きががが……ギャオーー、ンギャー!! アッ! 間違えたッ!」 珍妙な節回しで詩を口ずさんでいたと思いきや、突如、昨夜観たアメリカ版ゴジラの映画を思い出したらしい。 ウオッ! オッホーッ! と叫びながら観ていたので、いたく気に入ったようだ。とは、一緒に観ていた佐為の感想。ヒカルの文字練習はいつもこんな調子で、中々先に進まないのが現状らしい。 アーもう~っ! とペンを放り投げゴロンと横になる。ボーッと天井を見上げていたら、メールの着信音が鳴り響いた。 イソイソと携帯を開くと秀英からだった。今空港を出て「成田エクスプレス」に乗ったというメール。返信を打ち終わると共に、今度はインターフォンの呼び出し音が響く。 受話器をとり「は――」い、と応える間もなく「オーイ進藤、来たでぇー。開けろやー」社の調子いい声が聞こえる。 「開けたぞぉ」と返事した時には、既にガヤガヤと話す声が聞こえるのみで、それもすぐに聞こえなくなった。 「もぉー、社ったら」 ブツクサ呟きながら玄関に向かう。呼吸を数回数える頃にインターフォンが鳴る。 「開いてるぞぉー」 「駄目じゃないか進藤。ちゃんと鍵掛けておかなきゃ」 扉を開けるなり塔矢の小言が飛び込んでくる。 「来る早々うっサイ奴だなぁー。こんなトコまで誰も来やしないって。早く上がれよ」 「進藤!」 「はいはい。解ったってば~」 アキラもヒカルが本気でそう言ってるとは、勿論思っていない。ヒカルとて、うるさい奴だと思ってる訳ではない。いわばお互いのコミニケーションの一つとして捉えている。だがヒカルはすぐに油断して色々ポカすることが多いので、アキラの小言もついつい多くなる。 「まあまあ、二人共落ち着けや。永夏達はまだなんか?」 「うん。さっき成田エクスプレス乗ったってメール来たから、どうだろう? 一時間ぐらいで着くか?」 「そんなもんやろな。ほな上がらせてもらうでぇ」 ドヒャー! スゲェー広い部屋だなぁ~。流石藤原さんだなぁ。ホラ見てみぃ、景色もごっつうええでぇー。窓辺に立ちワイワイガヤガヤと賑やかな一団だ。ヒカルはキッチンでお茶の支度をしながら、外からこの光景を眺めたら面白いだろうな、などと考えていた。言わないけど絶対……。 「進藤、手伝う」 既に一度、藤原邸に訪れたことのある塔矢がキッチンに顔を出した。 「ありがと。冷蔵庫にケーキと和菓子あるから皿に盛り付けてくれ」 「わかった」 「僕も手伝おうか」 どこでもさり気なく気をつかう伊角が、やはり気にして声をかける。 「伊角さんありがとう。じゃ、其処の小皿とか持ってってくれる? すぐ支度出来るから座ってて」 OKと言いトレーを抱えリビングに戻る。 「身体の調子はどうだ。退院してから7ヶ月も経つんだな」 「そうだな。大丈夫。先月桂木先生に診てもらった。軽い運動ならもうしてもいいってさ」 「そうか、よかったな。だけど無理はするなよ。何しろ傷ついたのは肺なんだから」 「うん、わかってる」 「その……、藤原さんとは上手くいってるのか?」 塔矢に問われた瞬間、はにかむ様な笑みを見せた。喩えるなら蕾がやんわりと綻び徐々に花開く様に。今の状況を雄弁に物語っている。 「準備出来たか? 先に行ってるぞ」 「うん、すぐ行く」 テーブルに近づくとみんなで何かを取り囲んで笑っている。 「何してるんだ?」 塔矢が覗きこんでいると、お茶を運んできたヒカルが叫んだ。 「あー! 見るなお前らぁ」 「進藤、平仮名間違ってるぞ。小学生じゃないんだから、間違うなよなぁ」 「うっせぇー! ちょっと考え事してたんだ。小学生じゃないんだから、色々考える事があんだよ」 「へぇー?」「ホォー?」 次々と感心したようにと言いたいが、殆ど揶揄してる状態。ヒカルはバタバタと片付けをして、「はいはい座って座って。ケーキ食べて、茶飲んで、ホラホラ」 ヒカルの言葉に其々苦笑を浮かべる者や、おもっいきり爆笑したりしつつ、思い思いに席に着く。笑われて憮然としていたヒカルも、エヘヘ~と一緒に釣られて笑い出した。 「今日は藤原さんは居てへんのか?」 「うん、ちょっと出かけてる」 「そっかー残念やなぁ。俺、藤原さんに一局頼みたかったんやけどなぁ……」 「一局頼みたいのは社だけじゃないぞ。僕は話しか聞いたことないから、是非お願いしたかったよ」 と、伊角まで至極残念そうに述べる。 「早く帰って来れば打ってくれると思うけどなぁ」 「よしよし。ほんで今日はどうやって対局するんや」 「僕、折りたたみ持ってきたから、三面で出来るよ。永夏達が来るまでに軽く打っておこうか。どう?」 「どうって、塔矢。5人やんけ。おっ、ほんなら早碁にして勝者同士が対局して、勝った方が残っとる一人と対局するってのはどうや?」 「永夏達が来るまでに其処まで出来る時間無いと思うけど、出来るとこまでやろうか」 なら、ジャンケンで決めようということで、ジャンケンの結果、和谷と社、伊角と塔矢、ヒカルが手空きになった。 「あんだよー、俺が打てないのかぁー。つまんねぇなぁ」 「悪いな進藤。永夏が来たらじっくり打ってもらえ」 わーかったよ。時間無くなるからさっさと始めろやというヒカルの言葉に、其々が盤面に向かえば、幾らも経たないうちに周りの気配は様変わりしていく。 ピンと張り詰めた空気、真剣な眼差し、碁石を打つ音だけが支配する室内。流石にプロの世界に身を置く者たちだと思わせる。ヒカルはこの空気感がとても好きだった。 『まあ好きでなきゃ、碁打ちなんてやってられないよな』と独り言ちた。何しろ遊びたい盛りの若者達ばかりなんだから。 そうこうするうち、瞬く間に一時間余りが過ぎさり、そろそろ決着がつきそうだなと思ったとき、インターホンが鳴り響いた。急いでヒカルが走り寄り応答すると、案の定秀英の声が聞こえてきた。 上に上がってくるように言い、ヒカルは玄関を開け外で待っていた。一行を迎えたヒカルは「あれ、ジュンヨンとジュノも一緒だったんだぁ」ニコニコしながら歩み寄った。―――イヤ、歩み寄ろうとした目の前に「テッ!」ガタイのいい体が立ちはだかり、がっちり抱きすくめられる。 「ヨンハー……」 「進藤元気だった? ちょうどジュンヨンとジュノも予定が空いてたから、一緒に来たよ。先に部屋へ上がってるね。じゃごゆっくり」 秀英が笑いながら二人を促し横をすり抜けていく。「こんにちわ、お久しぶりです。お邪魔いたします」と、礼儀正しく挨拶しながら、ジュンヨンとジュノも通り抜けていく。 「あっうん、すぐ行くから。って永夏離せよぉ~まったく」 「ヒカル、元気か? 体の具合はどうだ?」 「うん、大丈夫。永夏にもいっぱい心配かけてゴメンな」 「いいんだ、そんなことは。お前が元気でいるのが俺の幸せだ」 「……永夏。自分で言っててハズくないか?」 宙を見やり(はずくない) と言う単語は俺の辞書の中には無いぞと、眉間にしわを寄せた永夏は「はずくない、とは何だ?」とヒカルに問うた。 「恥ずかしくないかってこと」 「ああ! イヤ全然」 「アッそう。ホラ早く部屋へ入ろう。寒いって」 「そうだな。ヒカルが風邪引いたら俺が怒られるしな。まあ今日は居ないようだから、いいけど」 歩きかけてヒカルが振り向く。 「佐為が居ないって、どうして知ってるんだ?」 「そんなものは、調査済だ」 「調査済って、どうやってそんなこと調べるんだ?」 「フフン、手は色々あるさ」 ホラ行くぞと、スタコラ歩いて行ってしまう。ポカンと見送ってしまったヒカルは、ヤレヤレとため息をつき部屋に向かった。 リビングに入ると喧喧囂囂・侃々諤々と検討が行われていた。熱くなるのは勝負師ゆえんだろう。血が騒ぐと言うのか。 「アレ、秀英達お茶は?」 「今、塔矢兄さんが支度していらっしゃいます。ジュノがお手伝いを」と、ジュンヨンが答える。 「あっそうなんか」 「はいはいお茶入ったから、和谷、秀英、ちょっと休憩したら?」 塔矢とジュノがテーブルに着いても、和谷と秀英はお互いの見解の違いに一歩も譲らず、白熱した持論を展開していた。塔矢の声にようよう我にかえり、ソファーに座りなおす。 「で、今日はどうやって対局していくの?」 「もうすぐお昼ご飯来るからさそれまでゆっくりして、お昼食べてから時間制限で対局して検討。晩御飯は7時ぐらいだから、それまで相手変えて打って検討でどう?」 「伊角さん、それでいいです?」永夏が律儀に伊角にお伺いを立てる。流石にこういうところは、目上をきちんと立てる風習が染みついている。 「いいと思います」 伊角も慣れない永夏が相手なので、つい丁寧語で返事をしてしまった。 その後お昼ご飯を賑やかに楽しく食し、打って検討打って検討を繰り返し、アッという間に時間は過ぎ去り、夕食のケータリングが届いた。結局佐為はその時間になっても帰ってこなかった。 一度ヒカルが電話をかけてみたが、商談が長引いてると言う。そのあとは本家に呼ばれてるので、帰りは遅くなりますとの事だった。 「じゃ夕飯食べたら、みんなと遊びに出かけたい」 「そう。どこへ行くの?」 「うーん、原宿あたりかな」 彼らと一緒に行動するなら、そんなに心配はないだろう。今日は外に出ない予定だと言ったので、ボディガードを帰してしまった。佐為はやはり暴漢に襲われた出来事が、頭の中を駆け巡ってしまう。 「みんなから離れないようにしなさいね」 「うん、わかってる。心配ないって」 電話を終えて振り向くと全員の視線がヒカルを捉えている。 「藤原さん、何て?」 心配って言葉を訝しんで問いかけたのは塔矢だった。 「遊びに行くならみんなから離れないようにしろってさ」 「ああ、なるほど。今日はボディガード居なかったな」 暴漢に襲われてから、佐為は異様に神経質になり、ヒカルが外出する時には常にボディガードがつくようになった。ヒカルはどこにでも付いてくるガードに辟易していた。心配ないから要らないと頼んでも、佐為は中々受け入れない。 いつまでボデイガード付きなんだよぉ。散々ごねるヒカルに佐為も渋々応じ、この後、年末は何かと物騒だからという理由で、年が明けるまでということで納得してもらった。 「ヒカルは俺が守るから心配するな。社、お前もいいな」 「へいへい、解ってまっせ」 「みんな迷惑かけてゴメンな」 「迷惑だなんて誰も思ってないから、気にしなくていい」 「うん、ありがと」 いい友達に恵まれ、佐為とも人生を共にすることが出来、つくづく自分は幸せだと感じる。 「原宿だぁー!」 両手を大きく広げて叫ぶヒカル。 「お前はお上りさんか」 呆れた顔で ――臍が茶を沸かすぞ―― と零す和谷。 「だって俺久々なんだよぉ。いっつもボディガートくっついてるだろ? 何処行っても全然楽しくないからさ、寄り道なしで帰ってるんだぞ」 遊びになんてどっこも行ってないんだぞぉと、唇を尖らすヒカルに「そうかそうか、じゃ今夜はおもっいきり遊べ」 「うん!」 ドイツで買ってもらったキャスケットを目深に被り、マスクの出で立ち。塔矢も帽子の種類は違うが同じような装いをしている。 ついひと月ほど前にたまたま二人で出かける機会があった。その折に大勢の人たちに囲まれ、身動きできない状態に陥った。その時はヒカルに付いていたボディガードが居たので、何とか抜け出すことが出来た。 塔矢とヒカルはCMにも起用されているので、顔を知られている。本人達は目立つという意識がてんで無かったので、芸能人のようにファンに囲まれる事態が起こるなど想定していなかった。 今夜はガードも居ないので、念には念をいれた。ヒカルが――みんなもマスクしたら? ――そう言ったら、全員がマスクしてたらおかしいやろが――と社に突っ込まれた。 ところが、目立つのはなにもヒカルとアキラだけではなかった。長身のヨンハを始めとしたイケメン揃いだから、これは目立たない方がどうあってもおかしい。 ヒカルたちが移動すれば、その後をゾロゾロと人々が移動する。盛んに写メを撮ったり、友達にメールを送ったりする。それを見た店の中にいる客たちも、何事かと注視する。こんな調子で中々思うように行動できない。 途中で社が「今日はプライベートやさかい、みんなホドホドに頼んまっせ」とお願いしたので、それからは遠巻きにされてはいたが、囲まれてしまうような事はなかった。 「塔矢と進藤って、いつもこんな調子なのか? 大変だな」 「違うよ伊角さん。今日はみんながいるからだよ。そういう伊角さんだって、凄くもてるんだよ」 「えっ! 俺なんか全然もてないって。なに言ってるんだ進藤」 「いや、俺ほどじゃないにしても伊角さんはもてると思う。塔矢と違って真逆」 ピクッと反応した塔矢が、絶対零度の目付きで永夏を見据える。 「永夏。(塔矢と違って真逆)とはどういう意味だ」 「そのまんまの意味」 束の間考えていた塔矢は「それは僕が優しくないって言ってるのか?」 「へぇーよく解ってるじゃないか」 「君にだけは言われたくないね」 わわわぁぁーと、両手をバタバタさせてヒカルが永夏と塔矢の間に入る。 「塔矢、落ち着け。冗談、冗談だから。永夏はふざけてるだけだから、気にしない気にしなーい」 一生懸命に塔矢をなだめていたヒカルは、クルッと振り返ると 「永夏、余計なこと言うなよ。塔矢だって優しいときはあるんだぞ」 ヒカルの言葉にガクガクッとこけた面々の中で、一人だけ呆れた風情立ちすくむ塔矢。 「…………進藤……フォローになってない」 「ヘッ! そう?」 「アッハハハッー! 塔矢、永夏はからかってるだけだから気にすることない。さぁ行くよ。往来の真ん中で固まってたら、迷惑になるよ」 秀英に言われ、それもそうだとショッピングの続きを始める。 其々に気に入った商品を買ったり、韓国組はお土産を物色したりとそれなりに楽しい時間を過ごし、午前1時を過ぎ引き上げることにした。ヨンハとスヨンは社の家に。ジュンヨンとジュノは塔矢の家に。引き上げる前に、ヒカルをマンションまで送り届けたことは言うまでもない。 マンションの部屋から明かりが漏れているのを見たヒカルは、「ただいまぁ~」と飛び込んだ。すぐに佐為がリビングから出てきて「お帰りなさい。楽しかった?」とヒカルを抱きしめた。 「うん、楽しかった。佐為にプレゼントあるよ」 「おやまあ、何です?」 似合うと思うんだけどなぁ~、と言いながらヒカルが手渡したのは、ポロシャツだった。 「素敵な柄ですねぇ。どうです。似合いますか?」 胸の前で広げて合わせる佐為に、――うんうん、すっごく似合う――至極ご満悦のヒカル。 「これ、ゼッテェー佐為に似合うと思ったんだ」 「ありがとうヒカル」 頬にチュッとキスされ、はにかんだ表情を浮かべる。 「エヘヘー。商談はうまくいったの?」 「ええ。そうそうヒカルは青梅夜具地って解りますか?」 「おーめ……やぐじ?」 「青梅は青梅市のことです。夜具とは夜寝るときに使うものです」 「寝るときって……布団のこと?」 「そうです。昔は夜具という言い方をしたんですよ。夜具地は布団の生地のことですね。青梅市は古いころから織物が盛んなところで、今でも多くの生地が残ってるんです」 「へぇー。で?」 「ヒカル、それより先にお風呂に入りませんか? 続きはお風呂の中で話してあげます」 「うん、いいよ!」 ウキウキ気分でお風呂に入り佐為が話してくれたことは、ホテルの売店で夜具地を使った小物などを販売するらしい。小物って何と訊ねたら、コースター・ランチョンマット・箸袋・小物敷物・ブックカバー・ちょっとした飾り物などということだ。 「青梅市に夜具地を使ってるお食事処があるので、今度行ってみましょうか? 美味しいらしいですよ」 「行く行く。楽しみ~」 穏やかな時間がゆっくりと流れていく。お互いの肌の温もりを間近に感じ、クスクスと笑いあい一言二言、言葉を紡ぐ。その声がバスルームの中で反響し、気分を高揚させる。街中の喧騒も届く事無く、時折車の通る音がかすかに聴こえるぐらい。 二人だけの世界、二人だけの時間、今夜もつつがなく二人の夜は更けていった。 そのころの塔矢。 「塔矢兄さんはすごく優しいです。ね。ジュノ」 「はい。本当に優しくて温かい人です」 「……」 「そうです。永夏兄さんの言ったことは本心じゃないです」 「気にすることはないと思います」 「…………」 「永夏兄さんは気に入った人がいると、ついからかいたくなる性分なんです」 「そうですそうです。永夏兄さんは塔矢兄さんのことが大好きなんですよ。いつも進藤兄さんと塔矢兄さんの話しばかりしてます」 「………………」 「だから元気出してください。ね」 「…………………………うん」